南方では雨が少なく、北方で秋の雨が多かった。
沿岸での塩が良く取れる
→ために山間部からの岩塩の値が下がるのを理由に靖州が値切る。
雨により冬越えのための草が腐敗し、家畜に病が流行った。
→不満が爆発する。
<人物設定>
昴星
→票族、直江らと同輩。もとは康琉の警邏を一任されていたが、塩の密売をとがめられ黥刑に処せられる。
しかし依然として塩を密売し、茶と交換していた。
梅芳 昴星の妻。
遊牧民にとって茶は泰華との重要な交易物。動物性栄養にかたよりがちなため死活問題である。そのため足元を見られることも多々あった。
冒頭の詩はええと、井伏鱒二訳があまりにすばらしいですね(最Y記とかにも載ってますが)。
コノ杯ヲウケテクレ
ドウゾナミナミ注ガセテオクレ
花ニ嵐ノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケが人生ダ
そのままで訳すと
この杯(金屈指は杯のかたち)を君に勧めよう
断ったりしないでどうぞ干してくれ
花は咲いたと思えば雨や風が散らしにやってくる
人生とは別ればかりが多いのだ
と、いうのを見ると古今名訳とほれぼれするばかりです。
もともと高校時代オリジナル用に設定をあたためていたもので、蕃胡は大体、唐代の長安と宋代の開封をあわせたようなものでしょうか。泰華のモデルに関しては建国の経緯は北宋です。資料は名著「長安の春」ですとか東京夢華録とか見ました。楽しかったなあ。しかも昔の本だとまた言い回しが古風に美しいので、たまらなかったです。漢文、漢詩の読み下しにあるあのリズムがすきなのです。日本語(漢字と平仮名)の国にうまれてよかったなあとしみじみ思います。
I上裕美子さんの桃花源綺譚(これは宋代が舞台)がだいすきだったのと、当時は十二国記にはまってたのです。(東京夢華録や山海経は資料にされてたみたいで「あーこれ!」って発見がおおくて面白かったです)。
オリジナルはそっちよりも、作中にちらりと出てきた鴻南十二州のほうが舞台です。鴻南はもちろん江南から。いつか書き上げたいなあ。キャラとか錬れてなかったんですが、舞台は好きなんです。
嬰水を黄河とすれば、鴻水(鴻南地方に流れる)を長江とみていただけると想像しやすいかと思います。
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